入行前に「独身寮の儀式」を受けたお兄さんは、強烈な違和感を抱きながら、東京で開催される入行式に臨みました。
1.合併初日
4月1日の朝、丸の内・大手町の本部ビルに100名ほどの総合職、200名ほどの一般職の新人が集められました。この日は、われら都銀同士の合併初日でもあり、壇上には、旧行の役員が大勢座っています。
役員の序列は、新人でもよくわかりました。救済される側の役員は、会長、副頭取の席にパラパラと座り、頭取や人事担当役員といった権力者の席は、S銀行が占めているように映りました。
2.入行式
新銀行の頭取になったS銀行の前頭取が、恭しく赤ら顔で合併の成功話を垂れ「この新メガバンクをけん引するのは君たちだ!」と言わんばかりの訓示があり、それを有難く頂戴。
独身寮や合併行の銀行員から漂う雰囲気から、どことなく体育会系のオーラがプンプンしており、嫌なイメージしかないまま、入行式が終了。入行式は、単なる儀式であり中身のない器だな、とがっかり😪
100名を3つの班に分け、各班には5年目ぐらいの総合職が班長として帯同することになりました。
3.新入行員研修
われら総合職は、そのまま電車に乗って、品川にある研修所へ直行します。昼食後、いよいよ新人研修が開始。
班長の自己紹介、行員証・健康保険証の受け取り、福利厚生の説明、入金・出金・振込・手形・小切手の基礎知識について、大学の講義のように教わります。
2日目からはグループに分かれ、出された課題をグループディスカッションで纏める訓練を、ひたすらやらされます。銀行の課題、高齢者に優しい銀行とは、未来の支店のあり方 等といった、面白みのない無難な課題でした。
4.札勘
新入行員研修では、模擬紙幣100枚渡されます。3か月後に配属された支店で札勘のテストがあるので、模擬紙幣で練習するように、と指導されるのです。
札勘とは、銀行員が両手に一万円を花びらのように広げて数える、おなじみの風景のやつですね。竹内力也さんが映画でよく披露されていました😆
新入行員4日目、グループ対抗の札勘大会が開催されました。そろそろマンネリ化していたタイミングに、ちょっとした遊びが加わり、まるで男子校の自習教室のように、かなり盛り上がるのでした。
まとめ
- 入行式は単なる儀式で、中身が無い。過度な期待は禁物
- 新入行員研修では、同期と寝食を共にするため、生涯?の友ができやすい
- 札勘は銀行員の所作として最低限必要なスキル、と洗脳され、札勘大会で大いに盛り上がる